「奥歯を抜歯することになっています。
その後、インプラントと義歯ではどんな基準で
判断するのがお勧めですか?」
というご質問をいただきました。
このご質問に関しては医学的な見地と、
患者さんのご希望を分けて
考える必要があると考えております。
医学的な見地でいうと、
義歯は柔らかい歯茎の上にのっているため
噛む力が加わったときに沈みこみます。
沈み込んだ際に、
義歯の金具がかかっている他の歯に
負担がかかります。
金具をかける歯が健全であれば、
義歯という選択肢もありえます。
金具をかける歯が歯周病や神経が無い場合など、
噛む力を負担出来ないようなときや、
義歯の使用によって二次災害的に噛み合わせが
崩壊してしまうようなケースには、
インプラントが適応だと考えております。
また、「患者さんが何を重視されるか?」という
観点で考える必要もあります。
義歯よりもインプラントの方が高額になる場合が多いので、
経済的負担がどこまでできるのか、
ということも選択基準になります。
そして取り外し式で良いか?
固定式で取り外しが不要な方が良いのか?
ということも選択の基準になります。
私の経験では、初めて入れ歯を装着されるのは、
40~50代の方が比較的多いです。
そのような方から
「私も入れ歯を入れるような年齢になってしまったのですね」
という言葉をよく聞きます。
義歯の使用によって、とても老いたように
感じる方もいるようです。
そのようなことを許容できるかも
判断基準になると思います。
また口の中の違和感の感じ方は人それぞれです。
大きな義歯でも全く違和感を感じない方もいれば、
小さな義歯でも違和感を感じて使えない方もいます。
許容範囲は人それぞれですので、
お口の中の違和感の感じ方も判断基準となります。